【筋トレの歴史】人類は古代ギリシア時代から身体を鍛えていた!?

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多くの人が筋トレをする理由とは何でしょうか?

自分の理想の肉体を作り上げたい、ダイエット目的で筋肉を鍛えてスリムな体を手に入れたい、体を健康的に保ちたい・・・。色々な理由がありますよね。

ではそもそも、筋トレの概念とはいつ頃から生まれたのでしょうか?

筋トレは昔から、ダイエットや健康を保つ目的で行われていたのでしょうか?

今回は意外と知られていない、筋トレの歴史をご紹介したいと思います。

筋トレの歴史

古代エジプト

筋肉を鍛える」という行為は驚くべきことに、すでに紀元前2500年ごろの古代エジプトで行われていたと言われています。

筋力を高めるためのトレーニングが行われていたという記録が残っているのです。

当時の筋肉を鍛える目的は、古代のオリンピックで優れた結果を残すためでした。

紀元前6世紀ごろ、古代のオリンピックにおける「レスリング競技」の歴代優勝者として、その名が広く知れ渡ったとして有名なのが、クロトンのミロン

引用:Wikipedia

クロトンのミロンは、24年間もチャンピオンであり続けた伝説的な記録を持っていますが、彼は牛を肩に担いで運ぶことによって、自分の肉体を鍛えていたと言われています。

古代ギリシャには「ハルテレス」という、現在のダンベルの原型とも言える器具も存在していました。筋トレという行為がある程度普及していた根拠と言えるかもしれません。

それと同じころ、ヨーロッパで重りを遠くまで投げる大会が開かれていたという話もあります。

筋トレは私たちの想像以上に昔から世界各地で行われていたのです。

古代ギリシャのダンベル「ハルテレス」とは・・・

半円形の石に穴が空いた「ハルテレス」は、現在のダンベルの原型とも言われていますが、古代オリンピックでは「走り幅跳び」に使用された道具であったとされています。

ハルテレス
出典:神戸市立博物館 facebook

当時の走り幅跳びでは「ハルテレス」を手に持って踏み切りまで助走し、踏み切った後、着地する瞬間に手から放し、より跳躍距離を伸ばすために使用していたんだとか。

ハルテレスの大きさや形は様々、重さも5kg程ではあったようですが、当時人々はこのハルテレスを使ってトレーニングをしていたと考えられています。

現代的な筋トレ法の確立

このように、筋トレのルーツは古代にさかのぼることが出来ますが、今日行われているような筋肉トレーニングの原型は、19世紀ごろから段々と形作られていきます。

それ以前、18世紀後半から19世紀前半を生きたドイツの体育学者グーツ・ムーツは、青少年の規律正しい身体教育という思想を導入し、広い運動場をつくり、『青少年のための体育』という若者が体を鍛えるための体操の教科書を作成するなど、近代体育や学校体育の理論を確立しました。

体育学者グーツ・ムーツ
出典:Wikipedia



そして近代ボディビルの父とも言われるドイツ人医師ユージン・サンドウは、1897年に『筋力とその強化法』というダンベルやバーベルを使った筋肉の鍛え方を記した本を執筆しています。

ドイツ人医師ユージン・サンドウ

20世紀に入ると、筋力トレーニングの方法はより効率的に進化していきます。

1960年代には研究によって、トレーニングを行った後数日の休息を取ることで「超回復」という現象が起こり、筋肉を効果的に肥大させられることが明らかになりました。

1970年代にはバーベルやダンベルを使ったトレーニング以外に、特定の部位を効果的に鍛えることができるトレーニングマシンを使った筋トレが行われるようになりました。

このように20世紀後半には、現在私たちが行っているような筋トレ法が完成されていったのです。

日本の筋トレの歴史

では、日本における筋トレの歴史はどのようなものだったのでしょうか?

その始まりは、先ほども取り上げたドイツ人医師ユージン・サンドウの書いた本が、柔道の父、嘉納治五郎(大河ドラマで役所広司さんが演じてらっしゃった方です)の手によって翻訳されたことによって始まったと言われています。

嘉納治五郎
出典:Wikipedia

戦前には日本初のボディビルダーといわれる若木竹丸氏によって『怪力法』という本が出版され、戦後には力道山の活躍によってボディビルブームが起きるなど、日本においても筋トレの概念が段々と広まっていきました。

いじめがきっかけで誕生した日本初のボディビルダー

戦後のボディビルブームの火付け役ともなった若木竹丸氏が筋トレを始めた理由は、中学生の頃にいじめにあった経験からでした。

若木竹丸氏
出典:フィジークオンライン

強くなりたいという思いから、チューブを使ったトレーニングなどを始め、1938年には運動法や自身の鍛えた身体の写真を掲載した怪力法という本を出版するまでになりました。

『怪力法』には、栄養のある食事やその摂取法、筋トレの方法などがまとめられています。栄養については食材のカロリー、タンパク質を表にまとめ、筋トレについては道具を使わない自重トレーニング方法から、高負荷をかけるために器具を使う方法まで、膨大な内容が詰まっています。

まとめ

筋力トレーニングが古代エジプトで既に行われていた、というのは驚きでですね。

しかし重いものを運ぶ必要に迫られたり、誰かと力比べをするという発想が生まれた時には、既に「どうすれば筋肉を鍛えることができるか」と考える人がいたとしても全く不思議ではありません。

筋トレと人類の歴史は、切っても切れない関係にあるのかもしれませんね。

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